僕たちは、頭の中でこんな言葉をいって自分を否定することがある。

「きっとあんたなんて誰にも好かれないんだ。」

「あなた何ている価値が無いんだ。」

そんな声を自分にかけてしまって、

新しい恋愛に踏み切れなかったり、

極端に自分に自信が無くなってしまう時があります。

 

こういった否定的な声は、自分の声ではなく、

誰かから言われた声を無意識的に取り込んでいる場合が多くあります。

というのも僕たちは、いろんなことを言われて育ってきていますよね。

家族や友人やいろんな人にいろんな言葉を言われます。

「あなたはとってもいい子ね。」

「あなたはとっても優しい子ね。」

「愛しているよ。」

「あなた何て大嫌い!」

「あなたは馬鹿な子なんだから。」

「女の子が欲しかったのに。」

「あなたは使えない子ね。」

etc…

 

このように僕たちは、いろんなことを言われながら育ってきています。

その言葉を僕たちは無意識のうちに言いも悪いも自分の体の中に飲み込んでしまうことがあります。

これを心理学では、「鵜呑み」といいます。

 

鵜呑みとは、

誰から言われた言葉を無意識的に自分の心の中に

そのまま消化せずに取り入れてしまい、

それを人から言われた言葉なのに、

自分の言葉だと信じ込んでしまうことを指します。

 

「お前はダメな子だ。」とかそういった誰から言われた言葉を、

そのまま信じ込んでしまい、「私はダメな子なんだ。」と

信じてしまうのです。

その頭の中でこだまする声は、自分の声ではなくて、

誰かの声だというのにです。

 

赤の他人から言われてもそこまでは信じないですが、

身近な人や大切な人から言われると、

そうなのではないかと信じてしまうところがありますから、

仕方ないところはあるのです。

 

そしてその言葉をあなたにかけたその人も、

自分の言葉にそんな影響力があるとは思ってもいませんから、

言った人が悪いわけではありません。

もちろん、それを信じ込んだあなたが悪いわけでも勿論ありません。

誰かを責めても、苦しみを生むか、それを増長してしまうだけなのですから。

ここで大切なのは、あなたの中にこだまするその否定的な声や、

あなたを裁くような声は、本当にあなたの声なのだろうか?

ということです。

 

そして、果たしてあなたの中にこだまするその声に、

あなたを応援してくれる声は近くにいないでしょうか?

 

例えば、

「私はダメな人間だから、好きになってくれる人なんていない。」

というその声が聞こえると、

「でも…。素敵な恋愛がしたい…。」

「やっぱりダメかもしれないけれど、私だって人並みに幸せになりたい。」

といったような「でも」や「やっぱり」「だけど」といったような言葉は、

浮かんでこないでしょうか?

 

その声は、すぐにかき消されてしまうかもしれません。

でも、ちょっとの間だけでも、ボリュームは小さいかもしれないけれど、

きっとあなたの心の中で聞こえているはずです。

その声は、鵜呑みにした声ではなくて、

「あなたを応援してくれる声」です。

 

僕たちの心の中には、

「鵜呑みにした声」と「応援してくれる声」の二つがあるのです。

でも、僕たちは「鵜呑みにした」その声を信じる傾向があります。

 

その声が強烈に何度も頭の中に鳴り響くからです。

だから、「応援してくれる声」が聞こえなくなってしまう。

でも、僕たちの心にはその応援してくれる声は必ずあるのです。

ただいきなりこの声を聴くのは難しいのです。

 

それにはちょっとトレーニングが必要です。

そのトレーニングの為に必要なことは、

ちょっと自分から距離を取るということです。

無自覚にその声を流し、聞くという今までのやり方をちょっとだけ停止させて、

どんな声がどんな時にするのかにまずは気付く必要があります。

 

そして気付いた先に、その声に対して対処する術を身につけることができるのです。

そこで、まずはその時に声に気づく取り組みを簡単にご紹介したいと思います。

 

・最近楽しいことや良かったことがあった出来事を思い出してください。

・その時の場面を明確に思い描いてください。

・いつそれが起きたでしょうか?具体的に答えてください。

周りに誰がいたでしょう?

何時ごろだったでしょう?

どこにあなたはいたでしょう?

・その時にどんな考えがあたまをよぎったでしょう?

その考えを掛けるだけ書いてみてください。

その考えは自動思考といわれ、勝手に浮かんでくる考えです。

・その時の気持ちをパーセンテージで書いてみましょう。

 

書き終わったら、振り返ってみましょう。

その時に自分の頭の中でささやいていた声が沢山出てきたはずです。

楽しい出来事でやって頂きましたので、

きっとその言葉も肯定的だと思います。

 

このように、まずは自分の心の声に気づくことが大切です。

そして、慣れて来たら最近のちょっと嫌な出来事の場面を思い返して、

同じようなプロセスで行ってみて下さい。

 

まずは、自分の中の鵜呑みにした声に気づく取り組みです。

その後どのようにしていくのかは、また次の機会に。

著者プロフィール

野川 仁
野川 仁
元引きこもりの心理カウンセラー。現在はカウンセリングをしつつ、講師としも、毎週(土)講義を行ってる。目指すは、「記憶に残らないカウンセラー」。カウンセラーのおかげより、自分の力で前に進めた実感を持ってもらうべく、日々奮闘中。理想への道のりはまだまだ長い!