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自分に正直になるということは、

時に怖いものです。

 

薄々心の奥底では分かっていたその気持ちと向き合うことであり、

一度その扉を開けてしまったら、

その景色を見なかったことにはできないからです。

 

以前のカウンセリングでこんなことがありました。

 

結婚している方を好きになり、

恋愛関係になったはいいものの、

やっぱりその方に依存してしまっているように感じて、

結局うまくいかなくなってしまったという方いました。

 

その方は、その人のことがとっても好きだったと、

泣きながらその気持ちを僕に話してくれました。

 

苦しかった時、助けれくれた人。

彼女はそうも語ってくれました。

 

自分を支えてくれる人はとっても大切です。

特に悩み苦しんでいたりする時は余計にそうです。

 

傍にいてくれる。

それだけで心強いものです。

きっとその方もそう感じたのだと思います。

そして沢山支えられてきたのだと思います。

 

所で、ちょっと話は逸れますが、

僕たちは不思議と、その人の事を好きだと思いたい時があります。

本当は好きではないし、心の底では「何かが違う」と分かっていても、

離れられない時があります。

 

人は孤独が嫌いです。

一人の寂しさに耐えられない時もあります。

 

一人でいる位なら、

誰かと一緒に居たい。

 

そんな時が人生にはありますし、

同情してしまう時も。

 

でも、そうやっているとあなたも相手も結果的に傷つけてしまいます。

 

だからいつかその関係は終わりにしなければいけません。

いつか自分に素直にならなければいけない時があるのです。

 

どうやらその方もそうだったようです。

 

好きというその言葉とは裏腹に、

何度もこれまで同じように不倫を繰り返しては、

ダメになっていました。

 

そしてもうそれを止めたいと、

心からの叫びを語ってくれました。

 

それを聞いて僕はこう感じました。

 

きっと一生懸命に恋をしてきて、

きっと受け入れてくれる居場所が必要だったんではないかと。

そうでもないと、きっと自分を保てなかったのではないだろうかと。

 

その不倫相手の事のことを好きと語る背景に、

その方の家庭での苦悩を聞くとそう思えてなりませんでした。

 

しかし、その気持と向き合うにも心の準備とエネルギーがいります。

ですから、慎重に何回か時間をかけて取り組んでいきました。

 

そして機が熟した時、

このように質問をしました。

「その元彼の事は、本当に今でも好きですか?」と。

「今は昔ほどではありませんが好きです。」と答えてくれました。

 

そこで、もう一度同じ質問をしました。

「本当に心から好きでしたか?」と。

すると、しばらく沈黙のあとこのように答えてくれました。

 

「本当は好きではなかった…。」と、

大粒の涙を流しながら答えてくれました。

それを言葉にすること自体とても勇気が入り、

大変なことだったことはひしひしと感じていました。

 

そこで、その方に次のような言葉を伝えました。

「Bさんはこれまで、きっと一生懸命に異性と関係を築かれてきましたよね。」

「僕たちは自分で自分のことを受け止められない時、

受け止めてくれる誰かを求めるものですし、そのように思い、

その手段を取ることは、Bさんのこれまでのご事情を考えると当然だと思いますし、

誰しもがとる許された手段です。きっと今まではその選択肢しかなかったのだと思います。

そして、自分に正直に生きたいと先日言っていましたよね。

正直に生きるとは、自分の気持ちを受け止めるということです。

Bさんは、今その一端に触れたのではないでしょうか。

勇気をもってその気持ちを受け止めようとした自分を誇って下さい。」

そのように声をかけ、それから少しずつ自分の気持ちを受け止めることから始めていきました。

 

僕たちは、自分で自分の気持ちを受け止められない時があります。

でも、その気持ちをいつまでも人にばかり受け止めて、

受け入れてもらっていては、いつしか自分が苦しくなります。

 

時に僕たちはその気持ちを自分で受け止めてあげることが必要なのです。

著者プロフィール

野川 仁
野川 仁
元引きこもりの心理カウンセラー。現在はカウンセリングをしつつ、講師としも、毎週(土)講義を行ってる。目指すは、「記憶に残らないカウンセラー」。カウンセラーのおかげより、自分の力で前に進めた実感を持ってもらうべく、日々奮闘中。理想への道のりはまだまだ長い!