カウンセリングをしていると、

何年も経っているのにも関わらず、

相手のことが許せないという方がいらっしゃいます。

 

お話を伺っていると、

今それが起きているかのようにお話をしてくださいます。

そしてそのお話は大抵「恋愛の終わり方」があまり良くなく、

酷いことをされたり、信じられないようなことをされた場合がほとんどです。

 

その為、きっちりとご本人の中で終わらせることができず、

された酷いことに目が向き、それが怒りとなり、

相手を許せなくなってしまうのです。

 

ただ、一口に「相手が許せない」といった場合でも

その中身は人それぞれです。

 

その為、今日はその許せないを少し紐解いていこうと思います。

傷付けられたことを許せない。

相手に酷いことを言われたりされた場合は、

その酷いことを言ったり、酷いことをした相手に対して、

強い怒りが向く場合があります。

 

それはなぜかというと、傷つけられたと感じるからです。

 

人は誰かに傷つけられた時、

その傷ついた気持ちから怒りを相手に向けます。

「何でそんな酷いこと言うの!」

「謝ってよ!私はそんなつもりじゃなかった!」

「ふざけないで!私だってね!」

といったように、怒りは相手へと向かいます。

 

そして、相手が反省する様子もなく、

悪びれる様子もないと余計に怒りが湧いてきます。

傷付けたのに、反省もしないなんて酷いやつだ!

最低だ!と怒りがさらに湧いてきます。

 

なぜかというと、僕たちは相手に反省する態度を示させて、

僕たち自身ではなく相手が悪かったんだと認めて欲しいし、

それだけ酷いことをされて傷ついた気持ちを分かって欲しいからです。

 

だからこそ僕たちは相手に怒りを向け、

相手の発言や行動の撤回を求めたり、

反省や謝罪を要求するのです。

 

反省や謝罪をしてくれれば、

気持ちが少し落ち着くのは、

自分の痛みや、如何に大切にしたかった/して欲しかったか、

如何に思いを向けてきたかを分かってもらえたと感じるのです。

 

でも、それが叶わない時があります。

いくら怒っても、反省も謝罪もしてくれないし、

相手は変わらないという時です。

 

そういう時は、頭ではわかっています。

こんなに怒ったって無駄だって。

でも心が止まらないのです。

 

相手の幸せな姿や、

相手だけが人生を謳歌していたり、

素知らぬ顔をして過ごす姿を見ては、

怒り噴き出してきます。

 

自分はこんなにも傷つているのに、

そんなことを知りもしないで自分だけなんで!

 

傷つけた張本人が、自分だけ気楽に生きているなんてありえない。

 

そんな気持ちが、相手を余計に許せなくし、

怒りを強め、時に復讐したい気持ちへ変わります。

これが許せない気持ちです。

 

この気持ちは、相手を懲らしめてやろうとする気持ちです。

 

現にそういう心理状態の時、

相手を懲らしめてやったり、相手が痛い目を見ていると、

少し気持ちが楽になったり爽快になったりするものです。

 

それはなぜかというと、心の奥でこう感じているからです。

「ほらね。ざま~みろ。苦しいでしょ?私の痛みを少しでも分かった?」って。

 

反省も謝罪も、相手が変わることも望めないのならば、

相手を懲らしめてでも、自分と同じ痛みを味あわせてやろう。

そんな気持ちに変わるのです。

 

そういった気持ちの時、僕たちの根底では、

同じ痛みを相手に感じてもらって、

自分の気持ちを分かったり、共感して欲しいのです。

 

この気持ちは、とても大切ですが復讐はお互いに傷つきますし、

結局復讐をしても一時的にすっきりするかもしれませんが、

あなたはきっと2重の痛みを負ってしまいます。

 

それは、相手に傷つけられた痛みに、

その痛みから復讐をしてしまい、

さらに相手を傷つけて不幸にしてしまった。

そんな気持ちがプラスされてしまい、

きっと2重の痛みを負ってしまいます。

 

ですから、復讐をせずに気持ちを癒していくことが大切です。

 

その一歩は、その激しい程の怒りを安全な場で発散すること。

そして、怒りは実は「傷ついた自分」を守ってくれていますから、

その傷ついて悲しんでいる自分に目を向ける事です。

 

よほど傷ついたんでしょうし、

それほど思いを向けてきて、

大切にしたかったし、して欲しかった気持ちを持っているあなたに

あなた自身が目を向けてあげることが大切です。

 

僕たちが怒りを相手へと向け続ける時、

僕たちは外へと意識を向け続けていますが、

心の内側では、ずっと傷ついて泣いている自分があなたを待っています。

 

ですから十分に怒ったら、いつかその心を自分の内側へと向け、

自分を癒していくことが大切になるのです。

 

勿論、「相手を許したいその時には」という条件付きです。

無理に許す必要はありませんから、

許したい時に許せばいいでしょうし、

許せない時は無理して許す必要はないのです。

 

ただ一点。

それほど自分が思いを向けて生きてきたことだけは、

大切に感じて生きていきたいですね。

 

最後までお読み頂きありがとうございました。

あなたが少しでも楽になる日を願っています。

著者プロフィール

野川 仁
野川 仁
元引きこもりの心理カウンセラー。現在はカウンセリングをしつつ、講師としも、毎週(土)講義を行ってる。目指すは、「記憶に残らないカウンセラー」。カウンセラーのおかげより、自分の力で前に進めた実感を持ってもらうべく、日々奮闘中。理想への道のりはまだまだ長い!