大丈夫は大丈夫じゃない。
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さて、カウンセリングをしていていると、
人の気持ちに気づく時があります。

「大丈夫です。」

って笑顔で言っていても、
笑顔が苦痛に歪む時があります。

「大丈夫。」って言っても、
唇をかみしめている時があります。

人の気持ちは、唇にも、表情にも、目の奥にも、
握りしめたその拳にも、
姿勢にも、目線にも、
声のトーンにも表れます。

そんなギャップに気づいた時、
それほどまでに苦しかったんだなって。
そう思わずにいられません。

堪えなきゃいけないほど、
平然と振る舞わなきゃいけないほど、
苦しかったんだなって、
そうでもしてないと自分を保てなかったんだなって、
そう思うと何とも言えない気持ちになります。

きっと誰にも言えなかったんだろうなって。
誰も気づいてくれなかったんだろうなって。
本当はずっと声を掛け欲しかったんだろうなって。
そう思わずにはいられません。

大丈夫という言葉は、違う形であなたにいって欲しかったはずです。

「大丈夫。」

その一言は、きっと違う形で言って欲しかったんじゃないかなって、
そう思うことがカウンセリングをしていてあります。

自分で「大丈夫。」と言うのではなくて、
相手から「大丈夫?」と声を掛けて欲しかったんじゃないかなって。

きっと気づいて欲しかったんじゃないかなって僕は思うのです。

心が参っている時に、
一人苦しんで誰にも言えなくて、
みんな気づいてくれなくて、
でも気づかせたくもなくて、
そんないっぱいいっぱいの時に、
「ねぇ、大丈夫?」の一言は、
どうしようもないくらい胸に響きます。

僕はそんな状況の時に、その一言を言ってもらったことがあります。

「う、うん。大丈夫。」と急いで取り繕ったけど、
自分では訳が分からないくらい気持ちが動いて、
すごくうれしくて、涙が出そうになったのを必死で堪えたのを今でも覚えています。

人から気にかけてもえること、
そして何より気づいていること。

それはうまく表現できませんが、たまらなく嬉しいのです。

気にかけてくれる人がいる。
それだけで、人は孤独や寂しさが和らぎます。

気づいてくれる人がいる。
それだけで、「私のことを見てくれる人もいるんだ。」って力になります。

勿論お節介に感じることは普段はあるけれど、
一人必死で気持ちをこらえて気丈に振る舞い、
孤独な戦いを続けている時、
その一言は、どうしようもなく心に響くのです。

「大丈夫?」

その一言を言える人でありたいなって思います。

「大丈夫?もう我慢しなくてもいいんだよ。辛かったね。よく頑張ったね。」

その一言を言える人でありたいなって思います。

本当は誰かに「大丈夫じゃないよ!助けてよ!」って言いたいけど、
言えないでいる人の思いに心を馳せられる人になりたいなって思います。

今は陳腐なことしか言えないけど、
そんな人になりたいなって僕は思います。

あなたの身近な人も、もしかしたら「大丈夫」って言っているけど、
大丈夫じゃないかもしれない。

だから、「大丈夫。」って、何かを堪えているように言われたら、
「本当に?」って聞いてあげよう。

でも、ツッコミすぎないで。
我慢できているから、自分を保てているかもしれないんだから。

だからどうか丁寧に関わってくださいね。

あなたに話せるタイミングが来るまで待ってあげることも大切です。
でも、友だちだったら「大丈夫じゃないでしょ!」って、
ずっとそばで支えてあげることも、もっとずっと大切です。

矛盾していることを言いましたが、
あなたなりに丁寧に関わってあげて下さいね。

著者プロフィール

野川 仁
野川 仁
元引きこもりの心理カウンセラー。現在はカウンセリングをしつつ、講師としも、毎週(土)講義を行ってる。目指すは、「記憶に残らないカウンセラー」。カウンセラーのおかげより、自分の力で前に進めた実感を持ってもらうべく、日々奮闘中。理想への道のりはまだまだ長い!